蕎麦の雑学①

【郷土蕎麦】

「うさぎ庵」さん「皿蕎麦」…盛り付けている皿は庵主の手作りの物。
  • 郷土(きょうど)そば日本には昔から各地に行われてきたその地方ならではの蕎麦の食べ方があります。自分が調べた限りの情報ですがご参考に。青森県「津軽そば」つなぎに大豆を用いるのが特徴の貴重な郷土そばですが、作り方が面倒なため、次第に作られることが少なくなり、今ではめったにお目にかかれない幻のそばと呼ばれるようです。函館では唯一「かね久山田」さんで提供しています。この津軽蕎麦は茹で置きが一般的という話です。蕎麦を茹でてから半日以上寝かせるんだそうです。そば粉でそばがきを作り、それを一晩おき、次にそば粉と大豆の粉をあわせたものを混ぜこれを捏ねて、そば玉を作ります。その後製麺して一晩おきます。そうした手間暇をかけ津軽そばを作るのに3日もかかるとの事です。山田さんではどのように蕎麦を作るのか興味がありますね。大豆を使う理由は、津軽地方では小麦があまり採れなかったために代替えで大豆を使ったらしいです。

岩手県「わんこ蕎麦」

寒い土地でも採れるそばは、昔からつくられており、よく食べられていました。岩手の山村では、田植えや稲刈り、お祭りや婚礼などで大勢の人が集まる宴会で、「そば振る舞い」という、宴会の最後にそばを振る舞うしきたりがあり、それがわんこそばのルーツと言われているそうです。しかしそばはどんなに大きな鍋で煮上げても10人前分で、1度に全員分のそばは作れません。そこで10人前を100のおわんに分けてお客に出し、その間に次のそばを煮上げ、また小分けしてお客に出す。こうしたおかわりをどんどんすすめる食べ方が、現在のわんこそばの形になったと考えられています。

新潟県「へぎそば」


へぎそばとは、ふのりという海草をつなぎに使ったそばです。このそばの特徴はつるつるしこしこした食感であることです。「へぎ」という器に盛られて、「へぎそば」という名が付きました。「へぎ」とは、幅30センチ長さ50センチ程の大きなせいろの様な器で、そばを一口程度に丸めたものをへぎに約30個程もりつけ、3~4人でそれを囲んでたべます。また、ゆでたそばを手を振りながら、水から揚げ、へぎに盛りつける特有の動作から、「手振りそば」とも呼ばれているそうです。

福井県「越前おろしそば)」

越前そばは、蕎麦の実を蕎麦殻まで挽き込んでそば粉とするため、より風味が強く、黒っぽい蕎麦となり、この蕎麦を強力粉をつなぎに茹で上げた冷水にさらす。蕎麦は、深鉢などに盛って濃い目のつゆを直接かけたり、つけ汁にして食べる。一般的な蕎麦のように、冬季であっても、つゆは冷たいものを用いる。

 具には特徴的な辛味大根の大根おろしを使用しており、この他に刻みネギ、鰹節、刻み海苔などをかけることもある。大根おろしを用いるのは、蕎麦つゆも醤油もない時代にそば切りを大根汁につけて食べたことを起源としており[3]、当初は皿(さわち)に入れて食べられていたそうです。

兵庫県(皿そば)
出石皿そばは、宝永三年(1706年)に信州上田から国替えになった、仙石氏により伝来したといわれているそうです。在来のそばに信州の手法を加えており、出石焼の小皿を使い特色ある出石皿そばの様式が生まれました。現在は割り子そばの形態をとっており、この形式となったのは幕末の頃で、屋台で供される際に持ち運びが便利な手塩皿(てしょうざら)に蕎麦を盛って提供したことに始ったそうです。1皿に盛られた蕎麦の量は2~3口程度で食べれるそうです。徳利に入ったダシと、薬味として刻みネギ・おろし大根・おろしワサビ・トロロ・生鶏卵1個などが出されます。蕎麦を盛る小皿は出石焼で各店舗オリジナルの絵付けがされており、函館では「うさぎ庵」さんが蕎麦を盛り付ける皿を制作されていて商品名も「皿そば」としており、蕎麦文化を熟知していることが伺えます。